能登麻美子《鬼六》
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发布时间:2022-05-12 08:02
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时间:2024-02-20 04:03
「鬼六」 朗読?能登麻美子
むかーし、むかし。ある村の真ん中に大きな川が流れていました。
その川は大変流れが速く、桥を架けては、流され、架けては、流され……と、困り果ててました。そこで村の人达は、都で名高い大工の名人を呼んできて、今度こそ、决して流されることのない、顽丈な桥を架けてもらう事にしました。
腕を见込まれた名人は意気扬々と村にやってきます。ところが、いざその川を见てみると、さすがの名人もびっくり!
川は、くるくる目の回るような速さで涡を巻いており、ものすごい音をたてては、ひっきりなしに水が流れているではありませんか。
途方に暮れた名人は思いました。
「こんな恐ろしい流れの上に、どうやって桥を架けたらいいんだろう?……」
するとどこからか声が闻えてきます。。
「おーい、どうした男。そこで何を考えている」
名人はびっくりして辺りをうかがいます。
声がしたのは、川からでした。水の上にぶくぶくと大きな泡が立ったかと思うと、恐ろしく大きくて、鬼のような颜がそこにぽっかりと现れたのです。
名人は恐ろしがりながらもこう応えました。
「う、うん、おれか。俺はさ、頼まれてこの川に桥を架けようとしているところなんだよ」
「おまえがいくら名人でも、大工じゃぁここに桥は架ける事は出来ないぞ」
鬼はそう言って大きな口を开けて笑い出しました。そこまで言われてしまったら、名人もだまってはいられません。
「じゃあ、谁なら架けられるというんだ?」
「そりゃ、この俺様よ」
「なんだって? じゃあ頼む!おまえさん、后生だ! 代わりに桥を架けておくれないか!」
「うーん、。そりゃかけてやってもいいが、何かお礼をもらわないとな」
「そりゃ、なんだってお礼するよ」
「なら、おまえの目玉をよこせ」
「何! 目玉だって?!」
名人は鬼の要求にびっくりしました。
そりゃぁそうです。自分の目玉を鬼にあげる事
になるなんて思いもしなかったからです。
けれど考えました。
「なに、その时はその时でどうにかなるだろう」
名人は鬼にこう言いました。
「よしよし、お安いご用だ。一つでも二つでも持っていくがいいさ」
鬼は満足したように川の中にまた沈んでいきました。
鬼と约束をした名人はうちに帰って、ゆっくりと一寝入りしてから、あくる日に、また川まで来てみました。
相変わらず川の水はごうごうと流れています。ところが、昨日とは様子が违っていたのです。まさかと思いましたが、よく见ると桥が半分以上も见事に川の上に架かっているじゃありませんか。名人はたいそうびっくりして、
「こりゃあ、冗谈じゃないぞ!目が??目玉がとられちまう!」
名人は急に怖くなって、両目を押さえました。
そして、さらにあくる日、朝早起きして、また川まで出てみますと、まぁどうでしょう! 実に何丈という高さの立派な桥ができあがっていたではありませんか。それにこの桥は、どんなにすごい涡巻きが起こる川の流れにもびくともしていません。
名人は今度こそ本当に度肝を抜かれてしまい、ただもう、目をきょろきょろさせるばかりでした。
その时です。
「おい、どうした名人。さぁ、约束どおり目玉をよこせ!」
と、言いながら、そうです。あの鬼が出てきたのです。名人はすっかり怖くなってしまい、「ひゃぁ!」と一言、青くなって、ぶるぶると震えだしてしまいました。
「あぁ……すぐは困る。すぐは困る。しばらく待ってくれ!」
そう言って名人は、あわてて川から逃げ出したのです。
名人はとにかく逃げました。今にも鬼が追っかけてくるのではないかと、はらはらしながら、とにかく山の方へ逃げていったのです。
そのうち、山の奥までやってきました。深い森の中です。郁苍と生い茂った山奥で、名人が当てもなくうろうろと歩いていますと、やがてどこかの林の中から子供の歌う声が闻こえてきたのです。
「鬼六どうした、桥かけた。かけたらほうびに、めぇだま、はよもって来い」
「なんだって????」
名人はこの歌を聴いてほっとしました。生き返ったように元気を取り戻して急いで帰ったのです。
そしてあくる日、名人はまた川にやってきました。
鬼が、早速川から出てきてこう言います。
「さぁ名人、すぐ、目玉をよこせ」
ところが名人は今度は余裕です。
「まぁ、しばらくお待ちください。どうもこの目を取られては、明日からの大工の商売が出来ません。かわいそうだとおぼしめて、何か他のお礼でご勘弁愿います」
これではさすがに鬼もあきれ果てました。
「何という意気地のない奴だ! ……じゃあそうだな、试しに俺の名を当ててみろ。うまく言い当てたら勘弁してやらないでもない」
名人はしめたと思いました。でも、すぐに当ててはつまりません。まずはでたらめに、
「大江山の酒呑童子!」
というと、鬼はあざ笑って、
「ちがう、ちがう!」
と首を振りました。そこでまたでたらめに、
「じゃあ、爱宕山の茨木童子!」
というと、鬼は余计おもしろそうに、
「ちがう、ちがう!」
といって笑いました。
それから名人は、いくつものでたらめな名前を言い続けました。すると鬼もだんだんと饱きてきます。
とうとう鬼は今にも飞びかかってきそうになりました。その时です。名人はありったけの声を张り上げて言いました。
「鬼六!」
その言叶を闻いた鬼はさも悔しそうにつぶやいたのです。
「うううむ。山の神に教わったか……」
鬼はそう言いながらふっと消えてしまいました。大工の名人は目玉を取られる事もなく、桥はいつまでも丈夫に川にかかっていました。
おしまい。